「システムをつくる」という感性
こんばんは僕です。
先日、某塾経営者のA社長(以下A氏)と、弊社の社長(以下社長)の3人で食事に行ったのが、そのときのA社長の指摘が非常に興味深かったので、書いてみる。
ちなみにA氏は社長の先輩に当たる方で、50歳ぐらいの方だ。
話は社長の経営相談、人材に関する相談から始まった。社長の悩みはこうだ。
「自分のサイズ以上に会社が大きくならない」「仕事ができる人材が育たない」
A氏はしばらくうなずきながら、社長の具体的な悩みを聞いていたが突然こう言った。
「俺らは化石なんだから、今まで培った経験とか実績は頭の中から捨てないとダメだよ。難しい仕事を誰でもできるようにシステム化するのが経営者の仕事だ」
A氏の指摘はこうだ。
- 会社というのは、基本的にルールを守れない人間はいらない。
- 勉強ができる人は、ルールが守れる人が多いから、そういう人をまず採用する。
- 勉強ができる人は、マニュアル化されたものへの遂行能力が高いが、先の見えないもの、価値があるかどうかわからないもの、意味のないものには手を出さないし、無理にやらせてもパフォーマンスは低い。
- 経営者の仕事は、そういう社員に最大限パフォーマンスを発揮できるような「システム」を提供すること。
- 自分の経験とか考え、感覚をケースバイケースで伝えても混乱するだけだから、「誰がやっても同じ結果が出る」システムを作ること。
- ・システムをつくって、システムの中で仕事をしてもらうときに、「例外」を認めないこと
少し長くなってしまったが、大体上記のようなことを言っていた。
社長もA氏も、感性で経営を行っているのは把握していた。というか経営者ってそういうものなんだろうなと思っていたが、A氏はどちらかというとシステマチックな考えを持っている人だった。
システム(ルール)を制定し「システムから逸脱しない限り、何をしても自由」というごく当たり前のことを、確実に行っているのだ。
ここが結構重要なポイントだ。
中小企業のワンマン社長には「俺がルールだ!」となっている人が多い。これはこれで会社はまわるのだが、社長以上のサイズに会社は大きくならないし、何より社員が思考停止に陥りやすく、疲弊しやすい。
「マニュアル人間」というのは基本的に悪い意味で使われる言葉だが、「マニュアルで定められたこと以外やらない」のではなく「マニュアルで定められたことだけは守る」となると組織で働く上では、とても有用な人材と言えるのだ。
システムをつくるのが経営者で、システムの中で動くのが従業員。
この当たり前のことを誤解している人が多いのだなあと感じた一夜であった。
PS うちの社長の心にも響いたようでよかったです。w